「話題のミステリーを読んでみたいけれど、期待外れだったらどうしよう」
「ネタバレだけは絶対に踏みたくない」
書店で平積みの本を眺めながら、そんなふうに迷ったことはありませんか?
今回は、夕木春央さんの『方舟』を読みました。
正直に言うと自分でも驚いたのですが、読み終えたあとしばらく本を閉じたまま、絶句して動けなくなる一冊でした。
この記事では、物語の核心には触れずに『方舟』の魅力をお伝えしたいと思います。
できるだけネタバレなしで書こうとは思いますが、気になる方はご注意ください。
と書いたもののこの作品は、事前情報があまりないほうが最大限に楽しむことができる作品だと思います。
記事を書くにあたり少し矛盾しているように自分でも感じるのが正直なところですが、「読むかどうか迷っている」という方の、判断材料になれば嬉しいです。
こんな方におすすめ
- 話題のミステリーを読んでみたい方
- 閉ざされた空間で起こる事件(クローズドサークル)が好きな方
- 読み終えたあと、誰かと語り合いたくなる本を探している方
- 「ラストで驚かされる」物語が好きな方
- ネタバレなしの感想を探している方
あらすじ
大学時代の仲間たちと、従兄とともに、山奥にひっそりと佇む地下建築を訪れた主人公。
ところが思いがけない出来事によって、出口が塞がれてしまいます。
さらに、地下の空間には少しずつ水が迫ってきます。
残された時間は限られ、助かるためには「誰かが犠牲にならなければならない」という状況に追い込まれます。
そして、そんな極限の中で、殺人事件が起きてしまいます。
閉じ込められた人々の中に、犯人がいる。
限られた時間の中で、彼らは何を選ぶのか。
ここまでが物語のあらすじです。
『方舟』は夕木春央さんの『旧約三部作』の第一作目です。
逃げ場のない舞台が生む緊張感
まず引き込まれたのは、物語の舞台設定です。
地下という閉ざされた場所で、閉じ込められただけではなく、時間とともに状況が悪化していくという展開。
状況から考えると、思い浮かべるだけでパニックになるのは間違いないような状況なので、ページをめくるたびに、「この先どうなるのだろう」という先の展開が気になるだけではなく焦りも、じわじわと膨らんでいきました。
クローズドサークルの作品は数多くありますが、本作は「タイムリミットがある」ことで緊張感が段違いです。
のんびりとした余裕がないところが、一気に物語へ引きこまれていったように思います。
なので普段ミステリーをあまり読まない方でも、ページが止まらなくなる展開だったように思います。
「事件の謎」と「究極の選択」
本作は、『犯人は誰か』という謎だけを追う物語ではありません。
「誰かが犠牲にならなければ、全員が助からない」という状況で、人はどう考え、どう行動するのか。
登場人物たちの迷いが、物語に深みを与えているように思います。
読みながら、「自分ならどうするだろう」と何度も考えさせられましたし、こんな設定を思いつくってすごいなと思いました。
謎解きの面白さに加えて、心にずしりと残る問いがある。
そこが、ただ面白いだけのミステリーとの違いだと感じました。
最後まで読んでほしい
『方舟』といえば、「衝撃のラスト」という評判を耳にした方も多いと思います。
ハッキリ言ってこの最後まで読んでほしいとか、衝撃のラストとかすら書かないほうがいいかもしれません。
しかし、これがこの作品の最大の魅力なので触れないわけにはいきません。
私自身この作品を読んだ後の衝撃というのは忘れられません。
また、もし普段、小説をあまり読まないといった方に小説をおすすめするとしたらこの作品をおすすめすると思います。
それぐらい衝撃的でしたし、小説の面白さを感じられる作品だと思います。
詳しくは書けませんが、とにかく最後まで読んでほしいということだけはお伝えしたいです。
まとめ
夕木春央さんの『方舟』の魅力を、ネタバレなしでお伝えしました。
「読むかどうか迷っている」という方に、私は是非読んでほしいとおすすめします。
読み終えたあとの余韻を、ぜひ味わってみてください。

