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今村翔吾『未だ本能寺にあり』あらすじと感想。ネタバレ注意

読書
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「次に読む歴史小説、何にしよう」

「歴史ミステリーは気になるけれど、難しそうで手が出ない」

本を選ぶとき、そんなふうに迷ったことはありませんか?

今回ご紹介するのは、今村翔吾さんの『未だ本能寺にあり』です。

誰もが知っている歴史的大事件である「本能寺の変」で織田信長の遺体はどこへ消えたのか。

そんな誰もが一度は気になる謎を追いかける物語で、歴史が得意でなくても、先が気になって読み進められる一冊でした。

この記事では、あらすじ・魅力・読む前に知っておきたい注意点をお伝えします。

「読むかどうか迷っている」という方の判断材料になればうれしいです。

なるべくネタバレなしで書こうとは思います。

結末や真相には触れていませんが、物語の設定や登場人物にはふれています。

気になる方はご注意ください。

こんな方におすすめ

  • 本能寺の変や織田信長に興味がある方
  • 歴史小説に挑戦してみたいけれど、難しそうと感じている方
  • 謎が少しずつ解けていく、推理小説のような読書が好きな方
  • 今村翔吾さんの作品が好きで、新作を探している方

『未だ本能寺にあり』のあらすじ

魔王の首を探せ。

織田信長はどこへ消えたのか?
羽柴秀吉、信長を刺した明智兵、使用人の少女、阿弥陀寺の僧……。
「あの日」を巡る8人の証言が集まる時、
400年、誰も見たことのない〝答え″が、導き出される。

引用元:幻冬舎

本能寺の変のあと、山崎の戦いで明智光秀を破った羽柴秀吉は、織田家の後継者に最も近い立場になりました。

ところが、肝心の織田信長の遺骸だけが、どこにも見つかっていません。

そこで羽柴秀吉は、家臣の駒井八右衛門に「上様を探せ」と密命を下します。

見聞きしたことを決して忘れない記憶力を持つ駒井八右衛門は、織田方、明智方、そして「あの日」を見ていた人々のもとを訪ね、証言を集めていきます。

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織田信長の遺体はどこへ消えた?誰もが気になる謎に挑む物語

本能寺の変は、日本史の中でもとても有名な事件です。

ドラマや映画でも何度も描かれてきたので、「燃え落ちる本能寺の中で織田信長が最期を迎えた」という場面を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

でも、改めて考えてみると、実際の本能寺の変で起きた「明智光秀は織田信長の遺体を見つけることができなかった」という謎については、ほとんど語られていません。

この作品は、そんな「なぜ織田信長の遺体は見つからなかったのか」に目を向けた物語です。

物語は、羽柴秀吉が家臣である駒井八右衛門に「上様を探せ」と命じるところから動き出します。

本能寺で見つからなかった織田信長の遺体を探すという一本の軸があるので、「今、何のために誰が動いているのか」が分かりやすく、歴史小説に慣れていない方でも迷いにくいと感じました。

もう一つ面白いのは、織田信長の遺体の行方が、天下の行方にもつながっていくところです。

なぜ羽柴秀吉がそこまでして織田信長の遺体を探そうとしたのか。

その理由を知ると、「ただの捜しもの」ではないことが見えてきて、先を読みたくなりました。

抜け穴説や誰かが持ち出した説など様々な説がありますが、どんな説がこの作品では描かれるのか読んでいてワクワクしました。

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「記憶力」で謎に挑む、主人公の駒井八右衛門

主人公の駒井八右衛門は一度見聞きしたことは忘れないという、特別な記憶力の持ち主。

歴史小説の主人公というと、剣の達人や、有名な人物を思い浮かべがちです。

でも駒井八右衛門は、そのどちらでもありません。

どちらかというと武のほうはからっきしといったタイプの人物。

しかし「覚えている」という驚異的な記憶力の一点で、日本史最大の謎に挑みます。

この設定がミステリーとしてよく効いていると思いました。

人の話を一字一句覚えているからこそ、あとで別の人の話を聞いたときに、「さっきの話と少し違う」と気づけるわけです。

派手な力ではないぶん、駒井八右衛門が小さな違和感を拾う場面には、面白さがありました。

また、強い武将ではなく、普通の人に近い立場の主人公だからこそ、読者も同じ目線で謎に向き合えると思います。

難しい知識がなくても、駒井八右衛門と一緒に「おや?」と立ち止まれるのが、この作品の入りやすさだと思います。

そしてもう一つ、駒井八右衛門は糟屋助右衛門という心強い相棒と行動を共にします。

羽柴秀吉の小姓衆のひとりで、武の達人のような強さの持ち主。

二人で謎に挑んでいく姿は、まるでホームズとワトソンのようで、ミステリー作品らしさを感じられたところでした。

証言を集めて真相に近づく、じっくり型の謎解きが楽しい

駒井八右衛門が追うのは、織田方、明智方、そして「目撃者」が語る「本能寺の変」の話です。

同じ出来事でも、立場が違えば、見えたものも、語りたいことも変わります。

ある人は都合の悪いことを避けるかもしれませんし、ある人は本当のことを話せない理由を抱えているかもしれません。

そうした証言が重なっていくうちに、少しずつ一つの像が浮かび上がってきます。

この物語は、合戦の迫力で引っ張るタイプの作品ではありませんでした。

証言と証言が噛み合ったり、ずれたりする過程を、じっくり味わう物語です。

「この人の話、どこかおかしいな」と、読者も一緒に考えながら読み進められます。

推理小説が好きな方なら、楽しめるはずです。

どんな答えにたどり着くのかは、ぜひご自身で確かめてみてください。

ネタバレになってしまうとよくないので詳しくは書けませんが、読み終えたとき、もしかしたらこんな答えも実際にあったのかもしれないと思うかもしれません。

ちなみに私はこの今村翔吾さんが書かれた答えも、ありえるかもしれないと思いました。

読む前に知っておきたい注意点

この作品は、合戦の迫力で引っ張るタイプではありません。

証言を集めて真相に近づいていく、じっくり型の物語です。

派手なアクションを期待していると、少し印象が違うかもしれません。

また、登場人物が増えてくる場面もあるので、人物の立場を意識しながら読むと、より楽しめます。

まとめ

『未だ本能寺にあり』は、信長の遺体はどこへ?という誰もが気になる謎をテーマにした、読みやすくて奥深い歴史ミステリーでした。

次に読む本を探している方、本能寺の変を違う角度から味わってみたい方には、おすすめだと思います。

あの日、本能寺の変で何が起きたのかを、駒井八右衛門と一緒に確かめてみてください。

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